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クラシックレンジ~現代へ

英国が誇るSUVの名門ブランド「ランドローバー」。
“砂漠のロールス・ロイス”とも称されるラグジュアリーSUVだけを75年間造り続けている世界で唯一の自動車
メーカーでもあります。
中でも現在に続く フラッグシップモデル「レンジローバー」は、1stモデルから評価が高く、現在でもクラシック
レンジとして高い人気を集めています。
パリのルーブル美術館に「現代彫刻の傑作」として常設展示されている唯一の工業製品でもあります。

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1stレンジローバーは1970年に発表され、モデルを増やしながら1996年まで製造されました。
日本では1990年から正式輸入され、1992年には4WD車では世界初となる エアサスペンションを搭載。
更なるオフロード性能向上と、オンロードで「空飛ぶ絨毯」と評される夢のような乗心地に話題が沸騰しました。

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1994年に2ndレンジローバーにフルモデルチェンジされるも、1stレンジローバーの人気が高く、
1994年から1996年の2年間は1stと2ndが併売されるという不思議な現象も起きていました。

絶え間なく進化を続けるレンジローバーは、2001年から第3世代で、シングルシェルのモノコックボディを採用。
デザインはイタリアRiva社のスピードボートからインスパイアされたもので、車内のメタリックフィニッシュも最高級
クルーザーの内装からヒントを得ていました。

2012年になると、第4世代のレンジローバーにバトンタッチされ、
SUVで初となる、フルモノコック軽量オールアルミニウム製ボディシェルを採用。
伸びやかなホイールベースやフローティングルーフなどの象徴的なデザインを受け継いでいます。

そして新世代となった現行レンジローバーはデザイナー、ジェリー・マクガバンによる作品で、彼がNEWレンジ
ローバーのデザインについて語った内容は、デザインで重視するのは「モダニズム」だという。
20世紀前半に活躍したモダニスト建築家の巨匠、ミース・ファン・デ・ローエが残した“Less is Moreという言葉” 
要素を減らしてこそ伝わる内容が増えて豊かな表現ができる、というもの。
「レンジローバーにおいて“Less is More”は、やらずにはいられないものなのです」とマクガバン。

もう1つは、ココ・シャネルの言葉である。
「ラグジュアリーとはモノが豊かにあるところではなく、下品さがないところに宿るのだ」と。
モダン・ラグジュアリーを表現するために、マクガバンは新型レンジローバーでシンプル&クリーンを極めた。
さまざまな機能要件を満たさねばならないカーデザインで、シンプルなカタチを追求するのは容易なことではないが、
「レンジらしさ」を進化させるにはそれ以外に道はなかったのだろう。

ひと目でレンジローバーとわかるデザインである一方、進化の度合いも大きい。それはまさに“Less is More”の
精神を体現するものなのだろう。
                                    y.t